俺は、どこの大学にでもいるような、ごく普通の経営学部の大学生だった。
本来なら、卒業後は少しの間――おそらく一年くらい――無職で過ごし、それから就職活動を始めるはずだった。普通の事務職として働くのも悪くない。その後は同じ職場の相手と出会って結婚し、男の子と女の子、二人の可愛い子供に恵まれる。そして、後悔のない穏やかな老後を過ごす。
そのはずだった。
理由も分からないまま、剣と魔術の世界に「エルフ」として転生してしまうまでは。
王様や神様が出迎えてくれるわけでもない。この世界にやって来た時、ここがどんな場所なのか説明してくれる奴すらいなかった。
最初は異世界に来たことに少し浮かれていた。だが、ここがよくある異世界アニメのようにスローライフを送れる世界ではないと気づいた時、その浮ついた気分は徐々に消え失せていった。
ここは弱肉強食の掟が支配する残酷な世界――凶暴な魔物が徘徊し、ただ「エルフ」であるというだけで奴隷狩りの標的にされるのだ!
さらに最悪な場合は、性奴隷にされたり、魔術回路を摘出されて闇市で売り飛ばされたりする可能性すらある。
おまけに、千年前の大戦で崩壊した帝国を再建しようと企む魔族の脅威まで迫っている。
そんな絶望的な状況の中、俺に与えられた唯一の希望は、地球からあらゆるものを購入できるチート能力――【オンライン通販システム】だった。
日用品やカップ麺から、拳銃(グロック17)、アサルトライフル、さらには最新鋭の戦車や核爆弾まで――『ポイント』さえあれば、あらゆる現代兵器を召喚できる常軌を逸した能力。
「この残酷な異世界で生き残るためなら、俺はなんだってやってやる」
購入した現代テクノロジーと、大学で学んだ経営学の知識を掛け合わせ、俺は底辺から這い上がってみせる。
残酷な運命に抗い、誰にも脅かされることのない『自分だけの最強の国家』を建国するために!
これは、異世界でのサバイバルと建国の物語――何者でもなかった一人の小さなエルフが、やがて世界の誰も無視できない絶対的な存在へと成り上がるまでの軌跡である。