※キャラクターは自作の他作品からの使い回しです。
ゲームの世界にダイブした私――千羽双樹。
何故かチュートリアルの町――はじまりの町ではなく、ラスボスである魔王ゼノフロースの城に転送され――
『御機嫌よう。そして御機嫌よう』
その言葉とともに私は魔王ゼノフロースに腹を貫かれた。
死ぬまでの刹那――私は握り拳を作り、魔王に反撃を試みる。
「……イタチの最後っ屁だ、喰らえ……っ!」
腕が抜かれ、たたらを踏みながら身体を翻しながら拳を下から上へ突き上げる。
目を見開いて驚きを露わにする魔王の顎を拳が掠める。
アバターが硬直し、結晶化し、砕け散る――
――目覚めると私は森の中にある泉の大樹の根元に寝かされていた。初期装備を全ロスした真っ裸の状態で!?
【天元】:万物育生の源である天の力。
ゲームでは全てを司るAIのこと。
同時刻――開発者によってプレイヤーに告知されたゲームでの死が現実の死。そして何故、自分たちが当選したのかを知らされる。
その真実はプレイヤーの疑心暗鬼、怒り、嘆きを引き起こし、心を圧し折った。