公爵家の嫡男レオナール・フォン・グラントヴァルは、
自分が学園恋愛エロゲの世界に転生した“悪役”であることを思い出す。
原作通りに進めば、彼は勇者に断罪され、すべてを失う。
だがそれ以上に致命的なのは――
この世界では「聖女を救うほど、世界が歪んでいく」という事実だった。
使命に縛られ、人を救い続ける聖女リリア。
彼女を救えば救うほど、本来起こるはずの悲劇は先送りされ、
やがて取り返しのつかない形で世界を滅ぼす。
一度は彼女を助けようとしたレオナールは、
それが“正解ではない”と知り、悪役として生きる道を選ぶ。
理解されなくてもいい。
感謝されなくても構わない。
――世界が壊れないことだけが、正解なのだから。
これは、
最後まで悪役であり続けた男の物語。