武を絶対とする辺境伯家に生まれながら、生産スキル【拠点創造】しか持たなかった三男アッシュ。彼は一族の面汚しとして、魔物が跋扈する「嘆きの森」へと追放されてしまう。
しかし、ソロキャンプが趣味だった前世の記憶を持つ彼にとって、そこは理想の楽園だった。「誰にも邪魔されず、最高の拠点でスローライフを送ってやる!」と決意したアッシュは、早速スキルを発動する。
――だが、彼のスキルは本人の想像を遥かに超えて覚醒していた。
ただのログハウスのつもりが**【神木の結界要塞】に、害獣対策のゴーレムは【古代文明のガーディアン】に、趣味で掘った温泉は【万病を癒す聖泉】**に……!
本人の意図とは裏腹に、作るもの全てが神話級のオーパーツと化してしまう。森で出会った呪われし元聖女ルナリアは、彼の所業を目の当たりにし「この方こそ伝説の神匠様!」と心酔。やがて、アッシュを捨てた実家や王国も「森に謎の超文明国家が出現した」と震撼し始める。
これは、ただ静かに趣味のアウトドアを楽しみたいだけの男が、その自覚なき神業によって、世界中から崇拝されたり敵視されたりする、壮大な勘違い建国スローライフ譚。