残念だったな、『勇者』。俺が―『魔王』だ。
◇あらすじ
―かつて、この世界には二人の魔王が居た。
しかし、その一人であり最強と呼ばれた魔王ルーレスは女勇者レクティアと相打ち……激闘の末に若くしてこの世を去ってしまう。
それから数十年の時が流れ、魔王ルーレスの存在はおとぎ話のように語られるだけとなっていた。
そんな中、人間達はもう一人の魔王を打倒するべく新たな勇者を選んだわけだが―その勇者が最悪の人間だった。
「―君みたいな能無しの役立たずは要らないよ」
勇者にそう告げられ路上に放り出された俺は、荷物も財布も取られて勇者パーティから追放された。
自分勝手で傲慢な勇者は同じパーティに所属する俺を目の敵にして何かにつけて面倒事を押し付けてくる奴で、さらに同じパーティに居た聖女にご執心だった勇者の行動は見るに堪えず、そんな勇者と縁が切れるのは別に良い。
しかし、勇者は知らない。
俺が元勇者であり、たった一人で魔王を倒した世界最強の人間であること。
また、強者を求めた果てに俺が冥界にすら足を踏み入れていたこと。
そして何より、俺の相棒が元魔王だということを。
そんな勇者に嫌気が差し、相棒と共に田舎生活を満喫しようとしたが―
「あなたが世界を救った勇者ですね?」
厄介なことに、勇者パーティで一緒だった聖女に元勇者だと特定されていた。
やがて、人々は知る。
魔王に勇者が勝利したことがどんな意味を持つのか。
俺が何故、魔王を元魔王と呼ぶのかを。
そんな中、俺を追放した傲慢な勇者に元勇者は告げる。
「それじゃ、貸してた俺の仲間は返してもらおうか。なあ―『偽物勇者様』?」
いつしか魔王と呼ばれるようになった元勇者アイド。
だが、大勢の部下や仲間達と田舎で隠居生活を送りつつ、平和を脅かす存在に陰ながらその力を振るう彼こそ―かつて最強と呼ばれた魔王ルーレスが転生した姿であることを人々はまだ知らなかった。
あらゆる悪を真の悪が裁く、強者に飢えた元勇者の魔王による最強悪役バトルファンタジー!
-----------------
※この作品は前に別名義で書いていて諸事情により打ち切りとなっていたのですが、こちらの名義で新しくリメイクして連載することにしました