次期皇帝である皇女アナスタシアには、幼い頃から定められた許婚がいる。
穏やかで理知的な辺境伯令息にして、侯爵でもあるユリウス。
彼が自分をどう思っているのか――想いがあるのか、それとも政略として受け入れているだけなのか。
確かめる勇気を持てないまま、アナスタシアは日々を過ごしていた。
そんな中、彼女は社会勉強の名目で身分を隠し、平民の少女「アンナ・シュタルク」として下町の酒場〈銀狼亭〉で働き始める。
名も立場もない場所で得る、ささやかな日常。
だがそれは同時に、許婚の内側に沈殿していた感情を、静かに揺り起こしていく選択でもあった。
これは、想いを確かめられない皇女と、最初から手遅れだった許婚の、政略婚から始まる恋愛ファンタジー。
(2026/01/29)
タイトル変更しました。