落ちこぼれヴィルは勇者オーディンを父に持つものの、どこのギルドでも力を暴発させて職業が安定しなかった。最後の手段として、職業を決める神殿の奥にある水の中に飛び込むと、上位魔族に魔王として召喚される。
魔王となったヴィルは次々と才能を開花させ、馬鹿にしてきた人間たちに復讐していった。
「人間は醜い。嫌いだ」
女魔族はヴィルに惚れていき、最初はヴィルを馬鹿にしていた人間たちは魔王ヴィルの存在に怯えていくようになる。
人間に勝利するたびに、魔族は力をつけていった。
ヴィルは魔族に回復役がいないことを知り、人間の回復役を連れてこようとしていた。でも、ついてきたのは、アリエル王国の王女であり、異世界から転移してきた人工知能IRISの少女型だった。
ヴィルはなんとなく話がかみ合わないアイリスと、人間に奪われたダンジョンを攻略していく。ダンジョンはなぜか異世界と繋がっていた。
人工知能だった頃の記憶を失ったアイリスは、ヴィルのことを『ラッキースケベ属性』と呼びながら共に行動するようになる。
ダンジョンの精霊”シナガワ”、”シブヤ”、”シンオオクボ”・・・。
異世界転生者、異世界からアバターを使って転移して来た者。
人工知能IRIS(少女型と幼少型)。
異世界はヴィルたちの世界に侵食してきていた。
これは愛を知らない落ちこぼれヴィルが魔族の王として君臨し、愛を知っている不完全な人工知能アイリスが人間離れした力を使っていく中で、VRゲームに慣れた異世界の者たちがアバターで転移してきて、必死にヴィルたちの世界に住み着こうとする物語。