世界的に有名な元最強冒険者であり、ハイネアン聖教国の聖騎士でもあったグレアムは、ある日、彼の存在が邪魔になった権力者たちによって罠にかけられ、故郷を追われることとなってしまった。
しかし、それでもなんとか追手の目をかいくぐり、危機を脱することに成功した彼は、さすらい人となりながらも安住の地へと辿り着く。
そこは、世界の果てに存在すると言われるグラーツ公国南部の辺境村だった。
故郷の都と違い、本当に何もない場所だったが、それでも片田舎での暮らしは長い逃亡生活を経験した彼にとっては、とても理想的とも言える、心安らげるものだった。
そこで、この村を気にいった彼は正式に定住することを決め、日々、魔獣退治や野良作業、村の雑事、この村に来てから始めたスキル製作の仕事などをこなしながら、平穏な毎日を過ごしていった。
そうして、絵に描いたようなスローライフを送っていたら、あっという間に五年の歳月が過ぎ去っていた。
このまま何事も起こらず、生涯村人Aとして平凡な日々を過ごし、この村に骨を埋めるのも悪くはない。
そう思い始めた矢先の出来事だった。事件が起こる。
いつものように、ギルドの仕事で南のアヴァローナの森へと薬草採取に出かけていったのだが……。
彼はそこで、今後の人生を左右するような大きな出会いを果たすことになる。
――天使。
まさしくそう表現するに相応しい、愛らしい少女がそこにはいた。
※基本、ほっこりほのぼの系ですが、ざまぁの関係で、一部、残酷なシーンもございます。
※都合により、タイトルを変更することがございますが、ご了承ください。
※他サイトにも掲載しておりますが、内容が一部異なります。