「エリザベート・フォン・ローゼンベルク!
貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの最中、第一王子ジュリアンに断罪された私。
彼が抱き寄せるのは「真実の愛」と称する偽りの聖女。周囲は私を「悪役令嬢」と罵り、嘲笑します。
あら、そうですの。でしたら、その『決定』、謹んで受理いたしますわ。
……ですが、一つだけ忘れていらっしゃいませんこと?
この国の予算運用の三割は、我が公爵家の、いいえ『私個人』の私財。
国を覆う魔導障壁も、私と精霊の個人的な契約。
聖女様の奇跡さえ、私が私費で提供したアーティファクトによる演出に過ぎませんの。
「婚約を解消されるのでしたら、これら全て、私の私有財産として回収させていただきますわ。……あら、そんなに青い顔をして、どうなさいましたの?」
管理権限を失った王家は一夜にして破綻し、魔法を失った国は闇に包まれる。
私は隣国の覇王にエスコートされ、絶望に濡れる彼らを背に優雅に去る。
――これは、国を買い叩き、神々を監査し、ついには全並行世界の『私』を救い出す、一人の女帝による絶対勝利の物語。
「準備は、すべて整いましたわ」