「一番痛い場所に、あなたの印を刻んでください。それが私の人生で、たった一つの願いだから――」
王子が聖女を召喚し、契約する世界。
それは恋の儀式であり、国家の存亡をかけた魔術制度。
だが、それがすべて仕組まれた“洗脳”だったとしたら?
異世界から召喚された巫女ファナは、全身に異様な刺青を施された少女。
言葉も文化も異なる世界で、ただひとりの王子エリオットにすがるしかない。
そして、彼もまた、
「契約さえ結べば誰にも奪われない」と信じ、
彼女に執着することでしか自分を保てない――壊れかけの王子だった。
聖女を失った王、聖女ではない王妃、
女神を祭り上げるために消されていく少女たち――
800年の禁忌と陰謀が、ふたりの恋をのみ込んでゆく。
「この想いが呪いだとしても――あなたになら、壊されたい」
「それで終わるなら、ようやく生きられる」
これは、ひとつの恋が、世界の真実を暴いてゆく物語。
愛と呪いと制度の闇を、“契約”で暴け――。
――縄文時代の巫女が、異世界に転移して聖女になったら?
民俗学×ファンタジー×極甘執着愛。
“契約”がすべてを変える、運命と神話の物語。
※この作品には、R15の範囲を越えない性描写、残酷描写が含まれます。