高校教師・神谷悠真は、ある雨の夜、橋の上から転落死した。
警察は事故として処理し、周囲もそれを受け入れた。
だが神谷が目を覚ますと、自分は幽霊になっていた。
自分の葬儀会場で途方に暮れる神谷の前に現れたのは、朝倉結衣と名乗る少女だった。
彼女は二年前に死亡した元高校生であり、神谷にこう告げる。
「先生は事故じゃない。殺されたんです」
最初は信じられなかった神谷だったが、失われた記憶を追ううちに、自身が死の直前まで学校の隠蔽工作を調査していたことを知る。
虐待を受けていた生徒たちの記録。
消された通報履歴。
改ざんされた報告書。
そして、二年前に自殺として処理された朝倉結衣の死。
調査を進める中で神谷は、五年前に自分が救った少年・高坂遼の存在を思い出す。
虐待を受けていた遼を保護へ繋げたことで、父親は社会的に追い詰められ、やがて命を絶った。
神谷は「正しいことをした」と信じていた。
しかし、その選択によって壊れた人生もあった。
救済とは何か。
正義とは何か。
教師としての信念が揺らぎ始める。
一方、残された妻・美咲と娘・陽菜も、神谷の遺品から謎の調査記録を発見する。
朝倉結衣。
高坂遼。
消された報告書。
そして死亡直前に残された脅迫電話。
やがて美咲は、夫の死が事故ではなく殺人である可能性へ辿り着く。
だが真実に近づく者には、見えない監視の目が向けられていた。
学校ぐるみで隠された過去。
救われなかった子どもたち。
そして、死者だけが知る真実。
神谷は幽霊となった自分に残された最後の役目として、自らの死の真相と、学校に眠る巨大な秘密を暴こうと決意する。
しかし物語の果てで彼を待っていたのは、想像を超える告白だった。
――あなたを殺したのは私です。
その言葉が意味する本当の罪と救いとは何なのか。
死者の教師と、生き残った家族たちが辿る、切なくも残酷な社会派サスペンス。
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