早くに父を亡くし、母と二人で生きてきた女子高生の楠木楓。
けれど最愛の母を失った彼女を待っていたのは、父方の親族から疎まれ、居場所のない孤独な日々だった。
そんなある夏の日、屋敷の離れで見つけた古い鏡に、異世界の王子の姿が映った。
金髪碧眼の美しい少年、ステファン・アストレア。
王子でありながら孤独を抱える彼と、楓は鏡越しに言葉を交わし、少しずつ心を通わせていく。
しかし夏休みの終わり、鏡は突然閉ざされてしまう。
もう会えないと、そう思っていた一年後、
追い詰められた楓が再び離れへ逃げ込むと、鏡は再び光を放っていた。
「ステファン……!」
助けを求めた瞬間、楓は異世界へ転移してしまう。
そこで再会したのは、かつての面影を残しながらも、強く美しい青年へと成長したステファンだった。
「ずっと会いたかった」
孤独だった王子は、今や国を背負う王となっていた。
それでも彼は、昔と変わらない優しさで楓を迎え入れる。
最初は元の世界へ帰ろうとしていた楓だったが、王として、必死に民の為に政務に励むステファンとともに過ごすうちに、次第にその想いは変わっていき……。
ひとりぼっちの少女と孤独な王。
鏡越しの出会いから始まる、一途な溺愛物語。