橘千代が軽やかに送っていた転生ライフに陰りが差したのは、子供たちに連行された幼稚園の砂場でのことだった。
人形の様な美しい少年の顔を見た瞬間、千代の体に衝撃が走った。そうして気が付いてしまったのだ。
「ここ、私が自作した乙女ゲームの世界(黒歴史)じゃねーか!」
黒歴史は葬り去るべき。
その信念に従い、世界を滅ぼす決意をする千代。
その為には、砂場で出会った少年、柊木悠真を悪の道に導く必要がある。
千代は彼の使命感を高め、世界の滅びを促すのだが……。
「ちよちゃんに、すきになってほしくて」
なんだか話が、おかしな方向に転がり始めて……⁉
これは、黒歴史である世界を滅ぼしたい千代の行動が、何故か良い方に誤解され続け、望んでもいない好意を一心に集めてしまうお話です。(千代の胃は死ぬ)