ファンタジー系ロボットシミュレーションRPG『竜機大戦ヴァンフレア』。
このゲームは装機兵と呼ばれる西洋甲冑を模した巨大人型ロボットを操り、敵対勢力と戦うというものである。だが、あまりにも難易度が高かったため厳しい評価を受けていた。その後、開発陣は追加のデータを無料ダウンロードで配布するという対応を行う。
この追加ダウンロードで特に注目されたのはフリーシナリオで、プレイヤーが作成したアバターをひたすら強化していくという育成の楽しみができた。さらに様々な装機兵を購入しアバターを乗せることが可能。
だが、ここで新たな問題が発生する。それはこのフリーシナリオでは肝心の竜機兵には乗れないというものだった。
竜機兵とは、この作品のタイトルにもなっている四機の強力な装機兵のことだ。その圧倒的な性能、他の機体とは一線を画する優美なデザインから高い評価をユーザーから受けている。フリーシナリオが導入された時は皆、自分の育て上げたアバターをいつか竜機兵に乗せて活躍させることを夢見ていたが、ここに来てアバターは竜機兵に乗れないという事実が発覚したのである。
そして二ヶ月後、再び大規模な追加ダウンロードが行われる。その追加項目の目玉としてアバターでも搭乗可能な五体目の竜機兵<サイフィード>の導入というものがあった。さらに、フリーシナリオでしか使用できなかったアバターがストーリーモードで使用できるという。
ロボット好きの主人公、白河光樹はこのダウンロードを終えてゲームをスタートした瞬間に意識が途絶えてしまう。目が覚めた時、彼はゲーム内の世界に転生していた。
こうして彼は自分で育て上げたアバター、ハルト・シュガーバインとなり竜機兵<サイフィード>を駆り戦いに身を投じることになる。
だが彼はまだ知らない。この世界が自分の知るゲーム世界とは既に別ものになっていることを――。
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