冒険者ダルカンは、中央ギルドに属するタンカーだ。
硬い甲冑に覆われた巨体は獣をも震わし、低く響く声は繊細な乙女を気絶させる。
そんなダルカンには、絶対にバレてはいけない秘密があった。
それは、"彼女"が討伐対象である魔人であることだ。
常に鎧を纏い、己の性と種族をひた隠す日々。
当然、他者が寄ってくるはずもなく、ダルカンはいつも一人だった。
そんなある日。
ギルドと併設した酒場で年端も行かない青年に声をかけられる。
ダルカンは、久しぶりに声をかけられた喜びからから、装備していた盾を握りつぶす。
ペチャンコになった盾を見ても男は動揺しなかった。
"他の奴からお前が優秀なタンカーだと聞いた。報酬は弾む。どうか、俺と組んで欲しい"
そう礼儀正しく頭を下げた男は、見るからに訳ありだった。
シンプルながらも身なりの良い服に、傷ひとつない肌。
おそらく貴族だろう。
しかし、ダルカンには関係のない話だ。
一人での旅路に限界を感じ始めていたのだ。
気づけば、首を縦に振っていた。
男と旅を続けていくうちに、少しづつ仲間が増えていく。
異世界から来た聖女、シーフ、魔法使い、戦士……。
気づけば、ダルカンは多くの仲間に囲まれていた。
これまでの生活を思うと、信じられない変化だ。
今日もダルカンは前線に立ち、盾を振りかざす。
全ては、仲間を守るため。
そして、とある目的を叶えるために。