ケリー・ベルトルトは、勇者とともに魔王を倒した剣士であったが、政争に巻き込まれて、置手紙一つで国を出た。だが、もうアラフォーでゆっくり暮らしたかったケリーにとっては渡りに船。向かった先は辺境の村『ゼケン』。ここでのんびり「スローライフ」を熱望する。
しかし村について早々、襲って来たモンスターから村長の娘のミリアリアを助けてしまったことから事態は一変。スローライフをするはずが弟子入りを志願されてしまう。その上、村長家の護衛兼使用人の激つよ獣人兄妹、精霊アルラウネ、エルフの姫君などとてつもない大物たちが好意を寄せて押しかけて来てしまい、放っておいてくれず、トラブルもあいまって「スローライフしたいのに、全然スローライフできない!」状況になってしまう。
一方で、自分を慕って弟子になりたいと言ってくれる気持ちには嬉しく思いつつも、しょせん魔王を倒したのは勇者と聖女だと信じている自己評価ゼロのケリーは、とてもじゃないが荷が重いと困惑するばかり。だがケリーは気づいていなかった。彼の行っている魔力操作を用いた剣技が、実は世界で唯一無二の才能であることを。魔王を倒した時の「最強無双」ぶりに勇者と聖女が舌を巻いていたことを……。
これは、そんな自己評価がゼロなケリーが、彼の力と優しい性格を尊敬する押しかけ弟子たちらに囲まれて、今日も今日とて周囲の美少女から向けられる好意には全く気づかないまま、スローライフしたいのに全然スローライフ出来ず、逆に、弟子の修業や襲撃してくるモンスターたちに無自覚無双しまくり波乱の日々を送るはめになる物語。
そしてやがて、彼のいるゼケン村は、彼のスローライフしたいという希望とは全く裏腹に、彼の無自覚無双のせいで世界最強の村へと変貌をとげて行ってしまうのであった。