神殿の下働きとして暮らす孤児ココ(10歳)には、誰にも言えない秘密がある。
一つは、前世の記憶を持つ「中身はちょっぴり大人」であること。
もう一つは、**本人は「ただの特技(健康法)」だと思っているが、**実は神殿が血眼で探している「本物の癒やし」の力を持っていること。
しかし、ココは知っていた。この神殿における「聖女」とは、騎士を籠絡するための“ハニートラップ要員”であることを。
「あんな『悪代官』たちの手駒になんて、死んでもなりません!」
目立たず、騒がず、平凡な下働きとして生きるココ。自分の力が特別だなんて、夢にも思っていない。
だがある日、うっかり「ヨガの呼吸」を応用した独自魔法で、瀕死の少年騎士を救ってしまう。
その少年こそ、国一番の英雄であるディーン公爵(15歳)。
そして運悪く、その現場を従弟の騎士クロード(22歳)――魔力を視覚化できる男に見られてしまった!
「……君か。あの光の主は」
「いいえ、気のせいです。私はただの通りすがりの掃除係です(棒読み)」
全力でしらばっくれるココと、その才能を見抜き、保護しようとする公爵たち。
「人生には、人の役に立てる喜びと、ほんの少しのユーモアがあればいい」
賢くてしたたかな10歳の少女が、無自覚に世界を煙に巻く、異色の救済ファンタジー。