ウルリカの恋人は狐獣人のエリクだ。一緒にいると楽しくて、彼の隣は居心地がいい。けれど二人は番ではない。きっとエリクも番が現れるとウルリカのことなんて忘れてしまうのだろう。
獣人にとって番とは、一生をかけて大切にする存在らしい。
だからエリクを本気で好きになってはいけない。頭では理解しているのに、ウルリカは彼に惹かれる気持ちを我慢できなかった。
エリクの期間限定の恋人にしかなれないと半ばあきらめかけていたウルリカの前に、ある日彼女の番だという狼獣人が現れる。貴族の番は己の権力を使ってウルリカを見つけ、誘拐に近い方法で自身の屋敷へ連れ去った。