世界中にダンジョンが出現して30年。冒険がビジネスとなり、華やかな「英雄」たちが持て囃される現代。
しかし、そんな光の当たらない場所に、彼らはいた。
ダンジョンB3Fの片隅に存在するボロ屋敷『遺失物管理センター』。
主な業務は冒険者が落としたアイテムの回収と管理……というのは建前で、実態は誰も取りに来ないゴミの山と、社会からはみ出した変人たちの掃き溜めだった。
窓口に座る黒鉄ジン(29歳)は、競馬新聞を片手にサボってばかりのダメ人間。
そんな彼を怒鳴り散らすのは、記憶喪失の幽霊秘書・マシロ。
だが、このセンターには裏の仕事があった。
それは、ダンジョンで死んだ者の強い『未練』が憑依した遺品――『怪異(カース)』を回収し、鎮めること。
「あー、めんどくせ。その剣、そこの燃えないゴミの日に出しといて」
やる気なく呟くジンだが、彼には決して人には言えない秘密がある。
かつて5年前の大規模崩落事故で全滅した『第7救助隊』の元隊長であるという過去が。
死者の声を聞き、その無念を力に変える異能『死者の共鳴(メメント・モリ)』。
だが、その力は代償として彼の身体機能を奪い、その命(タイムリミット)を確実に削り取っていく――。
爆弾魔の家出少女、見栄っ張りなオタマジャクシ騎士、引きこもりハッカーに、変態の闇医者。
不吉な数字『13』を冠する、掃き溜めに集まった不器用でアンラッキーな家族たち。
彼らはやがて、たった一人の「親父」の命を救うため、人類未踏の最下層『B100F』へと続く、命懸けのラストランへと挑むことになる。
笑いあり、吐血あり。
底辺家族たちのドタバタ業務日誌、本日も死に物狂いで営業中!