本屋鍵音は不幸である。自他共に認める不幸だ。顔には大きな傷跡があり、その傷跡は卑しい者たちの絶好の虐めのネタとされていた。
 そして、学校での計測で魔力があるからと言われて、期待を持ってハンターのアカデミーに入れば、無いほうがマシな将来を探せただろうという少なさであり、皆から嘲笑された。
 最後に珍しくクラスメイトに誘われてダンジョンに入れば転移罠に引っ掛けられて、死を意味する最下層に転移した。
 そこまで言えば、誰もが不幸だと認めるだろう。そこで哀れにも魔物に襲われて死ねば完璧な不幸の伝説の出来上がりだった。
 しかし、彼女の不幸はそこで尽きたのだろうか。
 ダンジョンの最下層にて見つけた召喚石。その中から現れた美少女召喚獣を手に入れたことで人生は変わる。
 強き召喚獣と共に、多くの冒険をして成り上がっていく逆転劇となるのだった。
 ━━━その召喚獣が本当に召喚獣なら。