勇者パーティの支援術師アルトは、
「役立たず」「いなくても回る」と言われ、理不尽に追放された。
だが彼の仕事は、剣を振ることでも、魔法を放つことでもない。
失敗を未然に防ぎ、損失を出さないための判断を積み重ねることだった。
追放後、商会の護送を手伝ったアルトは、その判断力を評価され、
やがて王国直轄の大型案件を任されるようになる。
一方、アルトを失った勇者パーティは、
小さな判断ミスを重ね、徐々に評価を落としていく。
同じ条件、同じ舞台で行われた任務。
結果は、誰の目にも明らかだった。
戦わず、声を荒げず、前に出ることもない支援術師。
だが王国が必要としたのは、
勇者よりも「失敗しない男」だった――。
静かに立場を逆転させていく、知的ざまぁファンタジー。