「令嬢らしからぬ行動」を理由に婚約破棄されたセラ。
だが彼女には、心当たりがあった。
――夢で見たことを、そのまま現実でやってしまうのだ。
例えば……草を食べる。
確かに、令嬢らしくはない。
けれど、それらはすべて“屋敷の中だけ”のはずだった。
なのに、なぜ知られているのか。
疑問を抱えたまま、セラは前世を思い出す。
山を登る感覚。風が抜けるあの瞬間。
「……あー、これ。めっちゃ好きなやつだ」
――彼女は、生粋の登山家だった。
居場所をなくした少女は、前世の血が騒ぐままに山へと向かう。
――その選択が、世界を少しずつ変えていくとも知らずに。
これは、山を愛する少女が自然の中でのんびりスローライフを満喫するうちに精霊たちに愛され、やがて最強の相棒(モフモフ)と共に“信仰対象”になっていく物語。