ネトゲで三年、毎晩いっしょに潜ってきた相棒がいる。ハンドルネームは「絶対殺すマン」。
口は最悪で、味方にも噛みつく脳筋アタッカーだ。
それでも俺の回復にだけは、なぜか一度も文句を言わず、「ナイス」とだけ返してくる。
声も顔も、男か女かも知らない。知らないまま、そいつは俺の毎日の一部になっていた。
二十四歳、老け顔で新人に課長と間違われ、彼女いない歴は年齢と同じ。
そんな俺は今日も、職場の独身仲間と駄弁って過ごす。
そんなある日、うちの部署に配属されてきた新人の女の子から、なぜか、あの相棒の気配がした。