黒峠町の高校に通う1年生・渡部元樹のクラスに、ある日一人の転校生がやって来た。
名前は柊奈々美。
黒髪に沈んだ瞳を持ち、どこか影をまとった少女だった。
最初は無口でよそよそしい彼女だったが、先生の指示で元樹の隣の席に座ると、その日からなぜか彼をじっと見つめるようになる。授業中、休み時間、放課後――常に注がれる冷たい視線。
幼馴染の上野玲は「奈々美は変だ」と警告するが、元樹は深く考えようとしない。
しかし、放課後の教室に二人きりで残った時、奈々美が「一緒に帰ろう」と声をかけてくる。
帰り道、普通の女子高生の笑顔の裏に、一瞬だけ覗いた“執着”の色――「これからも、ずっと一緒に帰れるといいな」という言葉が、彼の心に不気味に残った。
その夜、元樹は忘れていたはずの記憶をかすかに思い出す。
――泣きじゃくる少女が「置いていかないで」としがみついてくる映像。
それは奈々美の声と重なり、胸を締め付けていく。
転校生の正体は何者なのか?
そして、元樹が思い出しかけている“過去”とは――。
日常に紛れ込む違和感と、隠された執着が絡み合う、ヤンデレ心理ホラーラブコメ。