式神の少女・朧は、
主である陰陽師・霞に思いを寄せていた。
出会った時、2人の境遇は同じだった。
見た目の年齢も近く、親を失い、孤独であった。
紆余曲折ありながらも、二人はペアを組む。
今や霞は十五歳の青年となり、朧だけが時を止めたように少女の姿のまま。
霞にとって朧は、家族であり、大切な相棒。
少女を異性として認識したことは、今日まで一切なかったし、朧が少女の姿である限り、そんな日は永久に来ないはずだった……。
人に恋をした人外の少女と、少女を家族と呼ぶ青年。
少女の心は決して届かないと知りながら、それでも、想いは止められない。
これは、2人の異なる愛情がすれ違いながら歩む、果てしない旅の物語。