崇高な使命も、英雄譚も、私には関係ない。
ただもう、失いたくなかった。それだけが、私を動かしてきた。
前世の記憶を持ったまま転生したクロノアは、神の加護を武器に成り上がり、気付けば崩壊寸前の辺境伯領を支える羽目になっていた。
お金はある。力もある。でも、人がいない。信用ゼロ。問題は山積みで途方に暮れる。
人材探しに奔走する中、訪れた王都の学院で目にしたのは――婚約破棄という名の茶番だった。
冤罪を押し付けられ、名誉を失いかけていた侯爵令嬢・ステラ。
悪意に満ちた貴族社会の中で……その星は、とても美しかった。
「婚約破棄? じゃあその子、もらっていきますね」
その一言が、自覚なきまま壊れつつあるクロノアの心を癒すことになるとも気付かずに。
不器用な転生辺境伯と才色兼備の侯爵令嬢、二人の辺境再建劇が幕を開ける。
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第一章をヒロイン・ステラ視点で描いた短編版「婚約破棄? じゃあその子、もらっていきますね」(https://ncode.syosetu.com/n4545lo/)もございます。未読の方はよろしければそちらもどうぞ。