王女イリスは生まれた時から前世の記憶持ちだった。
病弱だったイリスは、大人しくベッドの上で三歳まではひたすら耐え続けた。
しかし、これから先も病弱で寝たきりなんて耐えられなかった
――三歳にしてイリスは体質改善を決めたのだ。
できることから始め、半年以上かけて言葉を話せるようになり……歩けるようにもなった。
――活動範囲が広くなったイリスは、四歳になる頃には兄たちと仲良くなり……順調に体質改善を進め……六歳にはこの世界が小説の世界なのだと気づいた。
小説ではイリスは病弱な王女。
ほとんど出てこないモブだ。
それでも、自分の生きる道は自分で決める為、意志を貫き努力した。
結果、小説のストーリーが始まる前に、状況は大きく変わった。
聖女と出会うまで闇を抱えて卑屈に生きる設定だった王太子メイロードは、イリスとザッシュウェルと切磋琢磨し、自身の才能を最大限に発揮し、『
賢王と呼ばれた初代ロワイトス国王の再来
』と讃えられる優秀な王子に成長!
寡黙で堅物な設定だったメイロードの側近ザッシュウェルは、メイロードと共にイリスを溺愛するしごでき最強騎士様に。
悪役令嬢設定のヘレインは、イリスと親友になった事で愛され婚約者に。
――そして、小説には登場しないアランは、イリスたちの幼馴染として過ごし、一族を滅亡に導くため隣国の裏情報ギルドマスターに――。
イリスは、
いつの間にか兄メイロードの闇堕ちを救い、主要キャラクターたちからの溺愛ルートに突入していたらしい?
小説開始の夜会でイリス達は聖女と出会い、王国の危機を乗り越えるべく立ち上がるのだった。