きっと、恋ではない。
背中越しの温度が心地よいだけ。
大正浪漫の香る帝国は、魔術を操る皇族と華族が支配していた。
焦げつく夏の日、剣に生きる華族の令嬢・黒宮火花は、祖国を失った王子・紫苑玲と出会う。
視線が絡むたび、苛立ちが募る二人。
やがて名前の分からぬ感情を芽吹かせながら、二人は陰謀の渦に巻き込まれていく。
なぜ、祖国は滅んだのか。
なぜ、彼は死んだのか。
そして、この感情の名はーー。
※本作の一年前を描いた前日譚(全3話)がございます。未読でも楽しめますが、お読みいただくと、より二人の関係や背景が楽しめます。
前日譚はこちら→
https://ncode.syosetu.com/n8493kw/