異世界に転生した俺の体は、姉を名乗る美女によって作られた。
銀髪の可憐なサキュバスとして。
心は男のはずなのに、姉に触れられるたび、体の奥が甘く疼いてしまう。
産まれたての俺に、最強にして最悪の姉は二つの道を示す。
一つは、不毛な荒野を平定し、やがて大陸の頂点に君臨する《魔王》になること。
もう一つは、部屋で一生可愛がられるだけの《愛玩動物》になること。
それは脅迫であり、甘い誘惑だった。
外は魔物がいる危険な世界。けれど姉の腕の中にいれば、温かいお風呂と美味しい食事、そして極上の愛と快楽が約束されている。
男としての意地か、生物としての安寧か。
震える足で荒野に立つ俺に残された武器は、前世の知識と、少しずつ順応していくサキュバスの体だけ。
これは、自分の可愛さと姉の愛に負けそうになりながらも、ギリギリのところで自我を保とうとする、とある魔王の抵抗の記録だ。