「君は追放だ」
王都の錬金術師ギルドから追放された俺、アレン・クロフォード。
理由は「規格外のポーションを作るから」。
温度管理?分量測定?製造記録?そんなの当たり前じゃないか。前世で製薬会社の品質管理部門にいた俺には、この世界の錬金術があまりにも非効率に見えた。
でも、この世界では「伝統」と「職人の勘」が全て。科学的アプローチなんて理解されなかった。
「だったら、一人でやってやる」
辺境の街リバーサイドで小さな工房を開いた俺は、前世の知識を総動員してポーション製造を始めた。
品質管理を徹底する。データに基づいて改良する。製造工程を標準化する。
その結果——
従来の三分の一の価格で、従来以上の効果を持つポーションが完成した。
「このポーション、すごい!」
「こんなに安いのに効果抜群!」
「もう他の店では買えない!」
評判は瞬く間に広がり、冒険者たちが殺到する。
さらに薬草栽培を効率化し、弟子を育て、製造工程をマニュアル化。一人の工房は、やがて一大産業へと成長していく。
そして、その噂はついに王都にまで届き——
「これは...革命だ」
王国騎士団が、貴族が、そして俺を追放したギルドマスターまでもが、この小さな工房に注目し始める。
最弱職と呼ばれた錬金術師が、現代知識で起こすポーション革命。
これは、追放された青年が、誠実なものづくりで世界を変えていく物語。
戦闘なし、復讐なし、ただひたすらに良い製品を作り続けた結果、王国全体を巻き込む大騒動に——!?
※この作品は生産職特化、内政チート系のスローライフ作品です。派手な戦闘シーンはほとんどありません。