母親の再婚により、十二歳で名門侯爵家であるロヴェット家の養女になったライサ。
十七歳になり聖女となったライサは、ロヴェット家とは犬猿の仲であるケンドリック家令息のスタンリー・ケンドリックから求婚され、両家のためになるならと結婚を承諾する。
だが、優しそうに見えた夫スタンリーには愛人がいた。ライサは聖女の力を利用するためだけに娶られた道具だったのだ。
お飾りの妻、そして利用されるだけの聖女として空虚な生活を送る日々。
ある日、ライサは大怪我をして聖女の力を失い、スタンリーから離縁されて、失意のうちに実家に出戻ることになった。
けれどロヴェット家に戻ったとたん、それまで疎遠だった義兄のエドガーが、なぜか甘い。
「今後、おまえのことは俺が全力で守る。もう二度と誰にもおまえを傷つけさせない」
これは家の面子のため?
それとも当主代理として家族を守るため?
だからってお義兄様、私を甘やかしすぎではないですか!?
そんな中、元夫がライサを取り戻そうと動きだして……。
出戻り聖女と冷徹義兄の甘口ラブファンタジーです。