ファンタジーワールドに君臨する5大王国。
そのうちの一つ、美の国。その名の通り美に特化した王国だ。すべてが美しく、気高い、唯一無二の国。
そんな美の国、第四王女テレーザ。美しく聡明な3人の姉、天使のほほ笑みを持つ弟である第一王子に囲まれて、いつも目立ない存在だ。美の国の姫とは思えない十人並みの容姿でいつも控え目なテレーザはいつしか「ついでの姫君」と呼ばれるように。
そんなテレーザにも、縁談話が持ち上がった。強大な大国、彩の国の王子との婚儀だ。
結婚の前に、「姫君格付けランキング」に出場することになったテレーザ。
彼女に忠誠を誓う侍女、エマの尽力で奮闘するものの結果は最下位。これでは美の国の沽券にかかわると、王宮はテレーザの抹殺を命じる。周囲の助けで危機一髪異国に逃れたテレーザ。
そこで、剣術の道場主一家の元で居候兼道場の雑用係としての生活が始まった。
道場主一家は、モラハラの夫に引きこもりの息子、娘はあまったれでだらしなく、末の息子は反抗期。そしてしつけに失敗した犬がいる、
そんな家庭の、うだつのあがらない主婦、瑛子。
自分の事は後回し、家族を第一に考え家族のために日々を過ごす瑛子にテレーザは、苛立ちながらもいつしか尊敬と愛情が芽生えていた。
「あなたの事を、マダムに変える」
そう宣言し、瑛子を変身させるべく奮闘するテレーザ。
そんなころ、テレーザの母国、美の国では国の根幹を揺るがす大事件が起ころうとしていた。
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