人生最良の日となるはずだった婚礼の日。
純白のドレスをまとった伯爵令嬢フレアは教会で花婿を待っていた。
花婿のサミュエルは式の直前、とある知らせを聞くなり彼女を置いて飛び出してしまったのだ。
フレアにはこれまでに何度も彼の突然の予定変更を許してきた過去があった。
でも、今日だけは…。
そう思っていたのに。
「なぜ私だけが、こんな思いをしなくてはならないの?」
募る不安と悲しみを胸に、フレアは待つことをやめる。結婚式の中止を告げ、サミュエルの元へと向かう決意をした。
彼が向かった先は、病弱な幼馴染リリアンの屋敷。
そこでフレアが見たのは、リリアンの手を握り彼女をかばうサミュエルの姿。
あろうことか、彼はフレアを思いやりのない女だと責めるのだった。
サミュエルの言葉に、フレアの長年の愛と信頼がとうとう打ち砕かれる。
サミュエルの心はいったい誰の元にあるのか?
すべてを捧げてきた令嬢の、愛とプライドを懸けた物語が今、幕を開ける。