「不気味令嬢」——銀髪に紫の瞳を持つエメリン・リュクノールは、幼い頃からそう呼ばれてきた。
光魔法を操る「聖女」ケイティと比較され、疎まれ、領地に引きこもり祖父と薬学研究に明け暮れる日々。
そんな彼女に突然、王太子の命で「氷の貴公子」ヴィクトール・ノクスとの政略結婚が決まる。
婚約の挨拶でヴィクトールを見たとき、エメリンは気づいてしまった——彼の心には、妹ケイティへの想いがあることに。
自分はケイティと王太子の結婚のための「厄介払い」に過ぎない。
そう悟りながらも、辺境ノクス領での結婚準備のため、エメリンは彼の元へ向かう。
ところが到着早々、魔物の被害で瀕死の騎士たちを目にしたエメリンは、祖父から学んだ闇魔法の治癒力で彼らを救ってしまう。
噂は瞬く間に広がり「辺境の聖女」として注目を集めることに。
隣国ベルディア帝国の皇太子ルシアンから求婚され、教会からは異端として命を狙われ——
窮地に立つエメリンを守るうち、ヴィクトールは自分の本当の気持ちに気づく。
彼女への想いは、とっくにケイティへの淡い憧れを超えていた。
「もう、離さない。誰にも、君を渡したくない」
婚約者に手を取られる、髪に口づけされるたび、エメリンの心は激しく揺れ動く。
でも彼の想い人は妹のはず——。葛藤するエメリンに、ヴィクトールは嫉妬と独占欲を隠さず迫る。
氷の貴公子が見せる、灼熱の溺愛。
自己肯定感ゼロのヒロインが、初めて「愛される」ことを知る、辺境溺愛ファンタジー!