祝福を持ち、守護獣を従えるのが当たり前の世界で、ヴィオラは何も持ち得ない娘だった。
けれども彼女は絶世の美貌の持ち主である上に、愛おしい婚約者がいる。
満たされた人生を送っていると信じて疑わなかったが、彼女はある日婚約者と腹違いの姉が仲睦まじく歩いている所に出くわす。
略奪女! と激しく糾弾したものの、それはヴィオラのほうだった。
本当の結婚相手は腹違いの姉で、ヴィオラはただの愛人だったのである。
さらに腹違いの姉の婚約指輪を盗んだ謂われのない罪で捕まり、火炙りの刑に処される。
息絶えたあと守護獣の登場と共に、彼女の目の前に文字が浮かび上がった。
因果応報=雌犬の仕返し(マウンティング)。
それはヴィオラに与えられた――死因となった要因を能力とし、時間を巻き戻した状態での復活するという祝福だったのである。
復讐してやる! そんな思いで二度目の人生も始めるも、思うようにいかないことばかりで……?
略奪女と罵られた娘の、やり直し奮闘記!