「血は水よりも濃く、水は命より重い」
四大災害により世界人口が激減し文明は後退、国家の多くが解体された時代。
企業連合による【統治区(ドミニオン)】のなかでは民営化水道局が人々の生死を握っており──最下層の貧民は生きるため異能を目覚めさせ、水泥棒となることを余儀なくされていた。
そんなある日、熟練の水泥棒である青年・円藤理逸は水道警備兵に襲われていた異邦人の少女を助ける。
「少しだけ──頼らせてもらっても、いいですか」
そう口にする少女は、失われた電子技術とナノマシンデバイスを合わせ持つ危険な存在だった。
莫大な価値を持つ彼女と共に、理逸は否応なしに事件に巻き込まれていく……。
雨の恵みを求めてうごめく、アポカリプティック・サイバーパンク始動。
※カクヨムにも同タイトルで掲載しています