佐藤通(32歳)は、ブラック企業で終わりのない残業にすり減るだけの、疲弊したサラリーマンだった。ある夏の夜、落雷の直撃を受けた彼は、見知らぬ大森林の中で「10歳の少年」の姿となって目を覚ます。
女神からの親切な説明も、都合の良いチート装備もない過酷な異世界。だが、彼の手には落雷の力を宿した「謎の黒い金属棒」が握られていた。
元の世界での理不尽な搾取にうんざりしていた彼は決意する。
「もう誰の奴隷にもならない。俺のしたいように生きる」と。
大人としての冷徹な論理と、倒した魔物の命を喰らって成長するシステムを駆使し、彼は過酷な森を生き抜いていく。
恐怖で足がすくんだ猪の魔物(レッサーボア)、空から襲い来る鉄羽の鴉(ギア・クロウ)、巨大な樹人(ルミナス・トレント)、そして水底の覇者である蒼水の大蛇(アクア・サーペント)。
強敵たちを「雷魔法」と環境を利用した知略で次々とねじ伏せ、手に入れた『解体・加工』スキルと、時間が完全停止する四次元の蔵『マジックバッグ』に極上の素材を溜め込んでいく。
一ヶ月に及ぶ生存闘争の末、人間離れした圧倒的なステータスと『気配察知』の異能、そして強靭な「蒼黒の鱗羽鎧」を手に入れた彼は、ついに森を抜け文明社会の入り口へと到達する。
そこで彼が目にしたのは、無力な商人たちを嬲る盗賊の姿だった。
圧倒的な武力で盗賊を蹂躙し、アジトから金銀財宝と情報を根こそぎ強奪した彼は、命を救った大商人を従え、堂々と城塞都市の門をくぐる。
彼の目的は一つ。
圧倒的な経済力と武力を背景に、貴族や領主らと対等に渡り合う「戦国時代の堺」のような、誰にも支配されない自由な『自治都市』を創り上げること。
これは、すべてを失った男が、異世界で圧倒的な富と力を蓄積し、世界の盤面を支配する絶対者へと成り上がる覇道への記録。