正体がバレた。
――そう思ったのに、幼馴染が心配したのは、そこではなかった。
「怪我、本当に大丈夫なの?」
高校二年の加山麻衣には、誰にも知られたくない秘密がある。
普通の高校生ではありえない身体能力を持ち、魔法まで使えるが、それを隠して普通の高校生として暮らしていた。
そんな日常は、友人たちと訪れた博物館で起きた異変をきっかけに、少しずつ変わり始める。
人では太刀打ちできない怪物を前に、麻衣は隠していた力を使い、戦い、そして勝利する。
魔法を見られた。
戦う姿も見られた。
今度こそ正体を問い詰められる――。
ところが、幼馴染の美咲が真っ先に気にしたのは、麻衣の正体でも魔法でもなく、怪我をしていないかということだった。
正体より、魔法より、まず怪我。
しかも、それは一度だけではなかった。
博物館での一件をきっかけに、麻衣の周囲では普通ではない出来事が次々と起こり始める。
やがて麻衣は、自分と同じように前世の記憶と秘密を抱えた者たちとも出会い、それぞれの過去が現代で交差していく。
日常の中で起こる小さな騒動から、魔物との戦い、そして異世界を巡る出来事まで。
隠していた過去と向き合うことになり、巻き込まれる出来事が大きくなっても、麻衣たちは学校へ行き、友人たちと笑い、ときには騒ぐ。
そして、どれだけ麻衣の秘密が明らかになっても。
どれだけ普通ではない出来事に巻き込まれても。
美咲が一番気にすることだけは、なぜか変わらない。
正体を隠して普通に生きたい麻衣と、その正体より怪我の心配ばかりする美咲。
二人のいつもの日常には、前世や魔法、さらには異世界まで入り込み、どんどん普通ではなくなっていく。
本作は、毎日夜21時頃を目安に更新予定です。
※本作は、公開済み短編『正体を隠していたのに、幼馴染が怪我の心配しかしない』を加筆・修正し、大幅に物語を拡張した連載版です。
また、本作は作者の別作品「元まおゆうシリーズ」とも物語が繋がっていく、クロスオーバー作品でもあります。
「元まおゆうシリーズ」を未読でも、本作単独でお楽しみいただけるように構成しています。
シリーズを読んでいただいている方には、人物や出来事、世界の繋がりもあわせて楽しんでいただければ嬉しいです。