目覚めたのは西暦180年、邪馬台国以前の倭国。
隣にいる妹は、後に「卑弥呼」と呼ばれる少女だった。
母に捨てられた兄妹は、山中でのサバイバルを生き延び、貧しい村を流行り病から救う。
現代知識がもたらした「衛生」は、この時代の人々には「奇跡」だった。
だが、その力は豪族たちを呼び寄せる。
彼らは、妹を「乱世を収める巫女王」として担ぎ上げようとした。
――奪われるくらいなら、先に「神」にしてしまえ。
妹を守るためなら、俺は奇跡を演出し、神話も奪おう。
火で穢れを祓い、巫女の権威を作り、信仰で国を束ねよう。
そう、これは「卑弥呼」という神話を作り上げる「兄彦」の偽りの建国譚――