ルステリア王国は、王都と東西南北の四大都市に、それぞれ聖女が仕える大聖堂を構えている。
中でも王都の聖女は、すべての聖女の“頂点”に立つ存在として、人々の憧れだった。
だが、王都の聖女クラリス・セントクレアはというと――
最低限の仕事しかしない。王太子や司教、護衛騎士と共にのんびり過ごす日々。
努力を重ねて聖女となった北の聖女ルーシンは、そんなクラリスに業を煮やし、とうとう彼女の中に眠る“前世の記憶”を呼び覚ましてしまう。
……クラリスの前世は、ブラック企業で心をすり減らしていた社畜だった。
社畜堕ちした聖女をどうにかするため、クラリス・ルーシン・王太子・護衛騎士の4人は旅へと出ることに。
様々な事件に巻き込まれながら、彼らは自身の“過去”と向き合い、その“正体”も徐々に明かされていく。
これは、美貌の聖女が社畜の正論で人を救い、仲間たちと衝突しながら、やがて真実に辿り着く物語。