「友人と会ってくる」、フェリシティと婚約者のローガンは、穏やかな関係を築いていた。いつも会う時は、お互いが好きな本を読み、話をして、紅茶を飲む。ローガンが会う友人も男性ばかり。けれど、フェリシティとは出かけたことがない。フェリシティとはどこかに行くことがないのに、友人たちとは観光地などに出かけている。かといって、婚約者との仲が悪いわけではない。「フェリシティとの変わらない毎日は安心する」、そう言われたフェリシティは、いつの頃からか、もやっとした思いが心の中に生まれるようになっていた。そんなある日、公園のベンチに座ってる時に深いため息を吐いた。それと同時に、いつの間にか隣に座っていた人物もため息を吐いていた。お互い考え事をしていて、隣に人が座ったことにも気が付いていおらず、同時にため息を吐いたことで初めてお互いの存在を認識したのだった。レイモンドと名乗った青年とため息の理由を愚痴り合う仲になり、フェリシティの心に少し余裕が出てきた頃、やはりローガンが友人と旅行に出かけることを知り、フェリシティの心に再びもやっとした感情が宿ったのだった。しかも、その友人たちの中に女性も入っていたことが分かり、フェリシティに気持ちは落ち込むのだった。そんなある日、フェリシティの財布の中に見たことにない硬貨が交じっていて……?婚約者の日常の中にずっと置かれてしまった少女と、忙し過ぎて普通の生活が分からなくなった青年が硬貨の謎を追う。
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