十八の春。
ユウは両親を殺した男――国王キヨの妾となった。
屈辱に震えながらも、胸に誓う。
「必ず報いを受けさせる」
と。
母を失い、妹たちを抱え、敵の城で生きねばならないユウ。
陰謀渦巻く城で、彼女を支えるのは乳母子の青年シュリだった。
「男の乳母子」という異例の立場ゆえ、二人の絆は決して許されぬもの。
それでもユウは彼だけに心を許し、禁断の想いを募らせていく。
政略と復讐の狭間で揺れる心。
やがてユウが選んだ「血を繋ぐ」という形は、ただの政略結婚ではなかった。
――それは奪われた一族の誇りを継ぐための復讐であり、愛の証でもあった。
全てを奪われた姫が、
妹を守り、禁断の恋を抱きしめ、
血を繋ぐことで世界に抗う物語。