世界は吸血鬼のものとなった。
今から約五百年前。
突如として人類の中に、吸血鬼と呼ばれる存在が現れた。
それは突然変異のように、
あるいは進化のように、
静かに世界へ広がっていく。
やがて人類と、始祖と呼ばれる吸血鬼たちの間で契約が交わされる。
それは――吸血鬼狩りの始まりだった。
生まれただけで追われ、
捕らえられ、殺される。
吸血鬼として生まれた者にとって、
それはまさに地獄の時代だった。
だが、終わりは訪れる。
繰り返される迫害と、積み重なる憎しみの果てに、
時代を覆す一体の吸血鬼が現れた。
彼はやがて英雄と呼ばれ、
世界の歴史にその名を刻む。
こうして人間の時代は終わり、
やがて彼らは――吸血鬼の餌へと成り下がった。
新たな王族による支配が始まる。
その時代に未覚醒のまま現代から召喚された始祖の少年がいた。
少年はこの世界で、
ひっそりと生き延びる人類の反乱軍と出会う。
彼は、散り散りになったクラスメイトたちを探し、
この世界の支配を終わらせるため戦うことを決意する。
それは小さく残った、反撃の火種なのか。
それとも――新たな破滅の始まりか。
これは、世界の終わりを書き換える物語。
英雄と対峙し、
自覚なき罪と向き合う一人の罪人の物語。
その罪は世界を変えるに足るか。