トイレで激辛麻婆パンと死闘を繰り広げている間に、
俺・相沢カケルの通う私立高校は――全校生徒まとめて異世界転移していた。
教室に残されたのは、俺だけ。
……のはずが、
屋上でサボっていた不良少女・桐島凛、
鉛張りの理科室で寝ていた変人科学部長・東雲先輩、
なぜかこの3人だけが現代日本に取り残されていた。
外は灰色の霧に閉ざされ、助けは来ない。
だが校内には、電気・水道・食料・ソファー完備。
購買は無人、食堂は宝の山、
ついには校長室を占拠して優雅な拠点生活が始まる。
一方、異世界に転移したクラスメイトたちは――
砂漠、ゴブリン、回復薬なしの地獄スタート。
黒板を通じて届いたのは、
「勇者」を名乗るクラス委員長からの救難通信だった。
だが俺たちは知ってしまった。
異世界より、この学校の方が圧倒的に快適だということを。
これは、
勇者にならなかった俺たちが、
“天国になった学校”で生き延びる話。
――その学校、魔力で少しずつ化け物になり始めているとも知らずに。