大聖女ミュゲ・ジプソフィルは、魔王討伐の悲願を成し遂げ、世界を平和に導いた。
それから息を引き取るまで、大聖女の激務を全うしたミュゲは、スローライフの来世を夢見てこの世を去るのであった。
ミュゲは気がつくと、自分の死から100年後に伯爵令嬢シャルロット・メシャントとして生まれ変わっていることに気がついた。大聖女の力を引き継いだままに……。
しかしシャルロットには、魔法の才能はなかった。
聖女の力は、魔法の根源となる『魔素』を浄化してしまうのである。
シャルロットは、魔法の才能を重視する両親からは無能の烙印を押されてしまう。そして、成人となる15歳の誕生日に家を追放されてしまう。
それからシャルロットは、前世の自分が生まれ育った故郷フルールの町を拠点にする。
そして、スローライフを実現するべく、仲間達と冒険の旅に出かけるのであった。