「婚約破棄?
願ったり叶ったりだわ!」
公爵令嬢マリアは、身勝手な第三王子ナナリーレスから婚約破棄を突きつけられた瞬間、前世の記憶……ではなく、「旅への情熱」と「古代魔法の真理」を思い出した。
窮屈な王宮生活に嫌気がさしていた彼女は、これを機に「国外追放」という名の自由を手に入れようと決意する。
荷造りの中身は、ふかふかの羽毛布団に数枚のドレス、そして地下倉庫から(勝手に)持ち出した大量の金貨。
呆れる侍女たちを尻目に、マリアが旅の相棒に選んだのは、庭に打ち捨てられていた「ボロボロのリヤカー」だった。
「リヤカーに飛行魔法をかけて、空飛ぶ絨毯にするのよ!」
常識外れの魔導理論を振りかざし、マリアは王都を後にする。