◆メモ帳書き、添削不足★超★多め◆
チートなし、ステータスなし、死人はそこそこ
生活と労働と政治と冒険を行き来する、後ろ暗さの少しある少し変わったファンタジー
―ちょっと長いあらすじ。―
どこか地球に似た、でも少し違う、魔法のある異世界の地球。
中世後期のルネサンス期を迎え、剣と魔法の時代が変わりつつあるヨーロッパの東側。
海の遠い内陸の地、丘陵地帯の高原にそびえたつ、超巨大なアメジストの結晶。それを中心に、螺旋階段が下る様な形で、魔物が蔓延るダンジョンが存在した。
内臓の様に蠢き、毎日の様に姿を変え、どういうわけか生えたアメジストから魔物が生まれる不思議なダンジョン。
それはいつしか、踏破を目指す冒険者達に、アメジストの大ダンジョンと呼ばれるようになった。
その巨大な紫水晶の眼下に臨む様に存在する要塞都市。アメジストの街。
かつては小さな村だったが、西欧の教会に属する冒険者達が集まり、大きくなっていった歴史を持つ。
しかし、今や街は、強大な軍事力で侵略を進める南方の帝国に迫られ、南方の同教の地は滅亡し、敵地を目前とする辺境の都市となっていた。
異教の帝国の圧力と、地上に溢れ返り街を襲う魔物の群れ。
複数の脅威に晒されるアメジストの街は、進退窮まる苦境に陥っていた。
―――
アメジストの街の、今は貧困街と呼ばれる滅びかけた旧市街区。
そこに生まれ育った姉御肌の女盗賊。冒険者『ミランダ』
過去に横領で仲間の信頼を失った彼女は、単身で危険な大ダンジョンへ潜り魔物から得た戦利品を質屋に売り日銭を稼ぐ毎日。
そんな危なっかしい生活を続けていた彼女は、ある日ダンジョンに発生した『彼』と出会う。
誰かの声がして、気が付けば真っ暗闇にいた『彼』
正気を取り戻した自分が居た場所は、ミランダの胸の上だった。
朧げで混濁した現代の記憶を持つ、寄生鎧の魔物『インフェクテッドアーマー』の幼体に転生した『彼』は、とりあえず自らを省略した種族名の『フェクト』と名乗った。
彼女の鎧として生きる、少しちぐはぐな協力関係を結んだフェクトとミランダ。
彼との出会いは、苦境に揺れる街を救う戦記と冒険譚の始まりだった。
数奇な運命を辿る、2人と彼らの仲間達の群像劇。