俺はガチャ中毒だった。
毎日回して、毎日外れて、何も残らなかった。
金も、友情も、未来も――全部失った。
そんなある日、スマホの画面が真っ白になった。
気づけばクラスメイトたちと共に、見知らぬ森の中に立っていた。
そして、神の声が告げた。
「お前たちは異世界の救世主だ。特別なスキルを授けよう。」
仲間たちは次々と強力な力を得た。
「聖剣魔法」「光の加護」「天の契約」――まるで英雄のように。
だが、俺のスキルだけは違った。
《ハズレスキル:無限ガチャ》
笑われた。捨てられた。
そして、魔物の群れに突き落とされた。
だが、死の間際にガチャが光った。
『SSRユニット獲得。名称:審判の黄金竜(ジャッジ・オブ・ゴールド)』
空が裂け、黄金の竜が舞い降りる。
その竜は美しい少女の姿に変わり、俺に跪いた。
「御身の意志は法。わたしの炎は、あなたの剣。」
裏切られた俺は誓う。
もう二度と誰にも支配されない。
――今度は俺が、この世界を支配する番だ。