魔女ルシア・ガルブレイは魔導研究を生きがいとしており、時には引きこもったり、時には旅に出たり、時には(強引に)交渉したり、と充実した日々を送っていた。
しかしある日突然『魔女至上主義』を掲げる魔女によって、魔女の王『魔王』だと全世界に晒されてしまう。
理由はわからないが、身の危険を感じたルシアは即座に身を隠す準備を整えて逃亡しつつ『勇者対策』の準備を行なっていた。
その結果、魔女に対抗する国によって異世界から召喚されたという『勇者』と対峙した際、魔力の大半を『勇者』に『奪わせる』ことで魔王討伐完了と勘違いさせ、逃げることに成功した。
それでも奪われた魔力は勇者が解放、あるいは死亡することによって取り戻すことができるので、ルシアは身を潜め、その時を待つことにした。
しかし何年、何十年経っても魔力は戻らない上に『勇者』が行方不明になったという話を聞いた。
仕方がないので、自分が『魔女』『魔王』だと悟られぬよう、今まで通り各地を回りつつ魔力を取り戻す方法を探すことにする。
それから500年。
もう自分を『魔王』だと知る人物はいないが『魔女狩り』に狙われないよう『魔女』という正体を隠し、色々な事件に巻き込まれつつも魔導研究を重ねてきたが、奪われた魔力は未だ戻っていない。
そのためルシアの目的は変わらず、魔導研究を行いつつ、魔力を取り戻すための旅を続けている。
※カクヨムでも掲載しています