剣と魔法のありふれた世界で、農家の息子として生まれたエイルは、16歳になる年、天啓の儀という職業診断の様な占いの様な儀式で、「喧嘩する人」と告げられた。
その時、非力ながらも格闘技に打ち込んでいた前世と思われる記憶が想起され、エイルは格闘技の修行にストイックに打ち込む様になり、農業と兼業でギルドの冒険者としても働くようになる。
武器も魔力も持たないエイルは、冒険者として大成する事は無かったが、気の合う仲間に恵まれ、気ままに生活をする事が出来ていた。
そんなエイルが25歳になった年のある日。いつもの様にギルドへ依頼を探しに行くと、新人3人組のパーティーのサポートをする事になった。
今日も日常が日常で過ぎて行くと、そう思っていたエイルだったが、彼等との出会いがエイルの格闘技を覚醒させ、“異世界の拳”はエイルと仲間達の運命を、魔障の世界を、大きく動かす事になるのだった。